映画

なんとなく思い至ったので映画ベスト150くらいやります。ほとんど忘備録みたいなものなので、ちゃんとひとつひとつコメントつけるほど丁寧にはやらないですが、いくつかはコメントしていきます。
別に興味深くも楽しくもないと思いますが、見てくれる数人の人が楽しめたら幸いです。

無制限に150個上げてもあれなので、いくつかルール作ります。
まず同一の監督の作品は3つまで。制限しないとどうしても同じ監督ばっかになってしまいそうなので。
2つ以上上げる場合は自分の中で厳し目に判定します。なので同一の監督で2つ以上作品上がってる場合はそうとうその監督が好きな場合です。

次に、政治的な配慮はしません。おそらくブラジル映画を上げないのは単純に見てる本数が少ないからだし、自己イメージを気にして恋愛映画は上げないとかそういうのはなく単純におもしろいと個人的に思ったやつを、それが駄作扱いされてても気にせず上げます。

選ぶ基準はストーリーが好きとか撮影が良いとか役者がいいとかいろいろあって、単にストーリーだけで見たらつまらんってやつもあるかもです。でもやっぱり普通に見てておもしろい映画を上げていきます。

別にルールってほどではなかったですね。ちなみにわたしが見てる映画の本数はたかだか4000くらいです。ちゃんと見てる人の足元にも及ばないし、有名な監督でもソフト化されてないやつは見てないのがほとんどです。例えばアルトマンは非常に重要な作家だと思いますが、意外と日本製でDVD化されてないので見てないのがかなりあります。なのであの名作上げてないのなんでなんだよって思った場合、多分単純にそれ見てないと思います。ただ、キューブリックとかウッディ・アレンとかはそこまですきじゃないので上げないと思います。

あと面倒なのでアルファベット順とかあいうえお順とかにはしないです。
ただたんに思いついた順で書いていきますね。監督→作品の順番です。


ジョン・フォード「捜索者」
ジョン・フォード「リバティ・バランスを撃った男」
ジョン・フォードわが谷は緑なりき
ハワード・ホークスヒズ・ガール・フライデー
ハワード・ホークス「暗黒街の顔役」
F・W・ムルナウサンライズ
エルンスト・ルビッチウィンダミア夫人の扇」
エルンスト・ルビッチ「天国は待ってくれる」
レオ・マッケリー「吾輩はカモである」
レオ・マッケリー「邂逅」
チャールズ・ロートン狩人の夜
サム・ペキンパーわらの犬
サム・ペキンパー戦争のはらわた
エドマンド・グールディング「グランド・ホテル」
ロバート・ロッセンリリス
マイケル・チミノ天国の門
侯孝賢「百年恋歌」
ツァイ・ミンリャン「穴 HOLE」
モンテ・ヘルマン「断絶」
ディビットクローネンバーグ「イースタン・プロミス

ジョン・フォードはやっぱり大好きですね。リバティ・バランスを撃った男はフォードの中では佳作という感じですが、とても良く出来てます。
捜索者はアメリカで最も偉大な西部劇だなんて言われてますけど、ちょっとこれは簡単には見れないおそろしい映画だと思います。陰惨極まりない。
とにかくありとあらゆる意味でおそろしい。震えますね。

ホークスは語るのがとても難しい。色々なタイプの映画を撮ってますから。
自分はスクリューボール・コメディの傑作でもあるヒズ・ガール・フライデーが一番好きです。ケーリー・グラントが本当にかっこいい。とてもきれいな英語なので早口でもすごい聞き取りやすいです。今のようなスラングも少ないですし、英語の勉強とかにもいいかもしれません。
ピューリッツァー賞を取ってるけど、その勝ち気な性格が上司から疎まれている女性記者ってテンプレートはこれから来てるんですかね。アメリカ映画でよくあるパターンですが。

ムルナウサンライズはとにかく自分が一番好きな映画です。何もかもが素晴らしい。
電車の場面、レストランでの大騒ぎのシーン、とにかくすべてが官能的です。

レオ・マッケリーマルクスブラザーズを主演に迎えた吾輩はカモであるが有名ですが邂逅も素晴らしい。確実に傑作をモノにする職人タイプと言えますかね。見た映画全部傑作ですね。

ロートンの狩人の夜フィルム・ノワールでは一番好きです。とにかくひたすらクールでかっこいい。実はこの映画Wikipediaにも載ってる通り、ヌーヴェル・ヴァーグの人たちが再発見して評価した映画ですね。リアルタイムではヒットしなかったようです。
まぁこの映画に限らずフィルム・ノワールなどジャンル映画は2流だと思われてた時期が長いので、ヌーヴェル・ヴァーグ連中が評価する前まではわりと低評価に甘じてたのですが。

ペキンパーもとにかくすべていい。思想を持って映画を撮った人です。
中原(昌也)さんなどは映画を評するときペキンパー的なんて文句を使ったりしますが、ひとつ筋の通った映画ばかりです。
非常に男性的な世界観の映画ですが。

侯孝賢の百年恋歌は21世紀の映画では一番好きかもしれません。
とにかく美しい。3部構成なのですが1部の冒頭の10分間の美しさに一度もため息をつかない人は映画の美しさなど永遠に分かることはあるまいと言い切ってしまいたくなるほどの美しさです。
撮影、編集、演技、すべていいです。大傑作です。

モンテ・ヘルマンの断絶は語ってる人がたくさんいると思うのでとくに付け加えることはないのですけど、ロード・ムービーでありながら途中で移動をやめてしまう。
どこにも行けず、あらゆるものが断絶してしまう、そうした(まさに我々の!!)世界で生きることとはどういうことなのか、とにかく真摯な映画です。デニス・ウィルソンもかっこいい。

クローネンバーグのイースタン・プロミスは暴力がもはや神話に近い神々しさにまで至った作品です。サウナ風呂での裸での殴り合いのシーンは神々の戦いとしか思えません。ストーリー自体は潜入捜査官ものというかありふれた話なんですけど、前作のヒストリー・オブ・バイオレンスを超えた、圧倒的な暴力性にただただ震えるばかりです。

とりあえず20作品。時間があるときまたやります。